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保護中: 為替介入を財務省は語らない。しかしチャートは語っている。複数指数から炙り出した答え。

円買い介入だったのか。5月6日のドル円急落を、4月30日と並べて検証

5月6日13時ごろ、ドル円とクロス円がまとめて大きく下降する場面がありました。介入っぽさは確かにあるのですが、本当に介入だったのか、だとしたらどういう性格の介入だったのか。ここを感覚で済ませず、複数の指数から答えを出していきます。

比較対象は、記憶に新しい4月30日19時の介入です。あの動きと並べてみると、5月6日の動きは性格がはっきり違って見えてきました。

結論から先に言ってしまうと、

今回のほうが、ドル全面売りには広がらず、円買い主導に寄った動きに見える。

ここから、なぜそう言えるのかを順番に検証していきます。


検証1 ドル円・クロス円の初動

まず4月30日の介入時を振り返ります。 ドル円・ユーロ円・ポンド円がそろって大きく下げました。ドル円で約380pips、ユーロ円で約410pips、ポンド円で約480pipsの下落です。

ドル円だけでなく、ユーロ円・ポンド円も大きく下げているので、これは単なるドル売りというより、円買いフローが強く入った動きとして読むのが自然です。主役は明確に円買いでした。
続いて5月6日のドル円、クロス円の動きです。

クロス円のwarning ¥・recovery ¥、ドル円のrecovery $・warning $ラインは
5月6日の介入と思われる下降幅に引いたものです。

5月6日も、ドル円とクロス円は同じように円方向へ大きく下げました。チャートの初動だけを切り取れば、今回も単なるドル売りではなく、円買いフローが入った動きとして見るのが素直です。

ここまでは、両日とも同じ顔をしています。


検証2 ドルストレートの反応

違いが出てくるのは、ドルストレートです。

4月30日のときは、ドルストレートにもしっかりドル売りの反応が出ました。ユーロドル・ポンドドルが上昇し、その後もドル全体が弱い配置がしばらく続きます。円買いから始まって、ドル売りにも波及していった動きでした。

続いて、5月6日のドルストレートの動きです。

一方、5月6日はどうか。 ユーロドル・ポンドドルは一度上に反応はしていますが、クロス円の下げほど強くは伸びていません。その後はドルが買われる場面もあって、現在はwarning $付近まで戻されている状態です。

ここが今回の最大のポイントです。 もし5月6日もドル売りが主役なら、ユーロドル・ポンドドルはもっと素直に上に伸びているはず。でも実際は、クロス円の下げに対してドルストレートの伸びは限定的でした。

つまり5月6日の初動は、ドル売り主導ではないということです。

ドルが強く売られたのではなく、円買いが中心に直接入った。 ドルストレートの動きから読み取れるのは、この一点です。


検証3 WTIの反応

次にWTIです。

WTIは5月6日、ほとんど反応していません。これは地味ですが重要な情報です。

そもそも為替介入は、円買い・ドル売りのフローが本質であって、原油を直接動かす材料ではありません。なのでWTIが無反応だったこと自体は自然な現象です。

裏を返せば、WTIを見るかぎり、今回の動きは原油主導ではないと確認できます。中東リスクや原油材料が引き金になって為替を動かしたわけではない、ということです。

材料の方向から見ても、今回の動きは円そのものを買った可能性が高い動きだと判断できます。


検証4 ゴールドの反応

ゴールドも同じ話ができます。

5月6日のゴールドは、介入らしき動きに対して大きく反応していません。 もし市場全体がドル売り・リスクオフ・安全資産買いという構図で動いていたなら、ゴールドにももっと強い反応が出やすいはずです。でも実際には限定的でした。

この点からも、5月6日の動きは市場全体のドル売りではなく、為替市場内、特に円絡みだけに出たフローだったと見るほうが筋が通ります。

なお米2年債・10年債は今回、窓開けになっていて測定が難しい状況です。ここを無理に材料化すると読みがズレるので、今回の検証では米金利は主軸に置きません。


検証結果 4月30日と5月6日、何が違ったか

ここまでの4つの検証を並べると、こうなります。

4月30日 円買い介入が主役。その後、ドルストレート・ゴールド・米国債にもドル弱さの余波が見えた。

5月6日 円買いの初動はかなり強い。ただし、ドルストレート・WTI・ゴールドの反応は限定的。

実戦的な言い方にすると、

4月30日は「円買い介入+その後のドル弱さ」までセットで出た動き。 5月6日は「円買い介入疑い+ドルストレートは限定反応」という動きです。

通貨強弱としても、5月6日は初動の段階ではとてもシンプルでした。 初動では円が最強、ドルストレートの反応は限定的、ドルは全面的に弱いわけではない。整理するとこの3点に尽きます。

つまり、5月6日のほうが4月30日の動きと比較すると、より円買い主導の介入型に見える、というのが複数指数から導いた答えです。


ここから何を見ていくか

その後の立ち位置を見ると、ドル円・クロス円には円買いの痕跡がまだ残っています。一方でドルストレートは大きく上に走り切れていません。現時点では、まず円買い効果がどこまで残っているかを見る局面です。

注目するのは3つです。

1つ目はドル円。 recovery $方向へ戻していけるなら、介入疑いの円買い効果はかなり剥がれてきていると判断できます。逆にwarning $方向へ再び落とされるなら、まだ円買い圧力が残っているということです。

2つ目はクロス円。 ユーロ円・ポンド円がrecovery ¥側へ戻せるかどうか。ここを戻せないなら、円買い効果はまだ生きています。戻してくるなら、介入効果は徐々に薄れていると見やすくなります。

3つ目はドルストレート。
ユーロドル・ポンドドルがwarning $ライン上で明確に伸びていくなら、円買いだけでなくドル売りにも波及してきていると判断できます。
足元では、イランとの和平交渉が早まるのではという憶測から原油価格が下がる場面もあり、ドルへの売り圧力が強まりやすい地合いになっています。それでもwarning $付近で止められたり、再び下に戻されるようなら、今回の動きはやはりドル売りではなく円買い中心だったと判断しやすくなります。


まとめ

複数の指数から読むと、分析結果は以下の通りとなります。

4月30日は「円買い+ドル弱さ」。 5月6日は「円買い単体寄り」。

5月6日の急落は、介入かどうかという問いに対しては「介入寄りの円買いフロー」と答えていいと分析しました。
ただしその性格は4月30日と同じではなく、ドル売りには広がらず、円買いレッグが主導した動きに近い。これが複数指数から導いた今回の見方です。

そのため今後は、ドル売りに広がるかどうかではなく、円買い効果がどこまで残るかを中心に見ていく場面になります。

ここから数日は、ドル円とクロス円の戻し方を丁寧に見ていきたいです。

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